2012年8月31日金曜日

9月4日のお知らせ&石巻市に行ってきました

 9月4日(火)の夜は、みなさんどんなご予定ですか?  もし特に何もないようでしたら、東京都新宿区の「BIRIBIRI酒場」にお越しください。漫画家の喜国雅彦さんをお招きし、トークイベントを開く予定です。喜国さんはミステリ古書の蒐集家としても有名ですが、昨年3月11日に東日本大震災が起きた後、被災地に赴いて瓦礫除去などのボランティアに従事されました。その体験をノンフィクション『シンヂ、僕はどこへ行ったらええんや』(双葉社)にまとめられましたが、このイベントはその刊行を記念して喜国さんにお話をうかがうものです。

 「喜国雅彦『シンヂ、僕はどこに行ったらええんや』刊行記念イベント」

 当日は新刊の販売も行いますので、本を読んでない方でも問題ありません。また、喜国さんのサインが欲しい方には応じていただけるようにお願いする予定です(というのを喜国さんに伝えるのを忘れてた)。  どうぞよろしくお願いします。

 実は私(杉江)は、8月24日から25日にかけて、宮城県石巻市に行ってきました。  イベントのための取材、というわけではなくて夏前から決まっていた予定なのです。石巻市で食品会社の工場長をされている方が知人の知人で、お招きをいただいたのでした。  その工場長(仮にAさんとしますが)は当然被災者でもあり、3月11日には工場の裏手にある日和山に避難して眠れぬ夜を過ごしたそうです。その体験談をお聞きし、また石巻市が今どのように復興へ向けての取り組みをしているかを教えていただくために、一泊二日という短い日程ですがお邪魔をしてきたわけです。  石巻市を訪れる直前に『シンヂ、僕はどこに行ったらええんや』が出て、その偶然に驚き「これは絶対にイベントのオファーをしないといけない」と即決して喜国さんに連絡を取った、というのが実は今回の実現に至る経緯なのでした。

 石巻市では、復興に向けて動き出しているいくつかの施設を見学しました。そのうちの一つが、災害廃棄物処理施設です。  これは宮城県が各市町村の委託を受けて運営している施設で、津波によってもたらされ、また建築物が崩壊したことで生まれた瓦礫は、現在ここに集積されています。

 このように積み上げられた瓦礫は、作業が進んだ現在でも10メートル以上の高さの山になっています。特に扱いに困るのは畳で、腐敗が進んでガスが発生し、自然発火することがあるといいます。そのため今では、畳だけで一つの区画ができているほどです。

 最初はこのように重機で選別、次に人力で可燃物と不燃物を選り分けます。選別はどんどん枝分かれしていき、リサイクル可能なものがそれぞれ取り分けられていきます。最終的には小さなチップとなり、下のような巨大な炉で焼却されるのです。


 施設の方にうかがったところ、やはり今の最大の問題は最終的な瓦礫の処分場所がないということでした。ごみの選別に当たっては放射能の測定を行い、可能なレベルのもののみを埋め立て処分しています。各自治体にこの協力を呼びかけていますが、焼却処分に手を挙げてくれるところは多くても、肝腎の埋め立てを許可してくれる自治体は驚くほど少ないというのが実態です。中には「焼却処分した後、灰を送り返してくる」ところもあるのだとか。それってどの程度処理の助けになっているんだろうな、と私は思いました。

 この他、いろいろな施設を回ってきました。その話題も、イベントのときには出してみたいと思っています。(杉江)